くるりと回れ右して走り出した俺を、先生は呼び止めた。 そうして俺のところまでやってくると、俺の髪の毛をくしゃくしゃ、と撫でた。 「何ですかっ、先生。」 俺は訳が分からず先生を見た。 「ん――…?何でもない。ほら遅刻するぞ、行ってこい!」 「はーい。」 …まったく、先生が呼び止めたのにさ。