お兄さんはそれまでドアの側に立っていた癖に、私達の前の席に腰を下ろした。耳にはイヤホンがついている。小気味よくコンバースのハイカットのつま先がリズムを刻んでいる。
「みっちゃん、なんかキチガイの臭いがするよ」
みっちゃんに耳打ちする。
「じゃあ、あんまり関わんなよ!」
みっちゃんはいつもごもっともなことしか言わない。
そんなみっちゃんは放っておいて私はなんだか無性に気になってお兄さんにいろいろ聞いてしまった。
でも聞き出せたことはお兄さんがくるりとサカナクションが好きということだけだった。
じろじろ見る。かなりじろじろ見る。
目、細いなぁ。
突然お兄さんが笑い出す。
「もしかしてボクにみとれてる?」
やっぱりヘラヘラしながら、ばかにした口調。
「だってお兄さん変だから」
私も極力そのヘラヘラしながらのばかにした感じを真似してみる。
「わかばちゃんに変って言われるってことはボクはここいらでは一番の変人だね、きっと」
「みっちゃん、なんかキチガイの臭いがするよ」
みっちゃんに耳打ちする。
「じゃあ、あんまり関わんなよ!」
みっちゃんはいつもごもっともなことしか言わない。
そんなみっちゃんは放っておいて私はなんだか無性に気になってお兄さんにいろいろ聞いてしまった。
でも聞き出せたことはお兄さんがくるりとサカナクションが好きということだけだった。
じろじろ見る。かなりじろじろ見る。
目、細いなぁ。
突然お兄さんが笑い出す。
「もしかしてボクにみとれてる?」
やっぱりヘラヘラしながら、ばかにした口調。
「だってお兄さん変だから」
私も極力そのヘラヘラしながらのばかにした感じを真似してみる。
「わかばちゃんに変って言われるってことはボクはここいらでは一番の変人だね、きっと」