「大好きよ、みっちゃん」

「………え?」

「だから大好きなの」

私はみっちゃんの隣に座って腕を組んだ。噛み殺しても噛み殺しても後から後から沸いて来る擽ったさ。内臓の隅々をアリさんがちょこまか移動して、なんとも言えない擽ったさが全身を暴れ回っている。

「二人は付き合ってるの?」

お兄さんがヘラヘラしながらばかにした感じで言う。

「同じクラスなんです」

お兄さんは更にヘラヘラした。

「へえー」

ヘラヘラニヤニヤしながら、あごの先を手ですりすり。あまりにもその仕種が似合っていて、なんだか私はお兄さんとちょっと仲良くなりたいとまで思ってしまった。

「ボクも行こうかな、海」

お兄さんはどうやら新しいおもちゃを見つけたようだ。