そう言うみっちゃんは、少し寂しいような嬉しいような顔をしている。

よかった。みっちゃんはまだ私のことが好きだ。

「ねえ、みっちゃん。電車が来たよ」

唸り声と共にホームに突進してくる、やっぱり汚い電車。

「あぁ」

みっちゃんは、おもむろにガリガリくんの袋を破き始めた。

「電車の中で食べる気?」

聞かなくてもわかる。言われなくても答えはわかる。

「お行儀悪いかな」

少年らしい表情の少年を見ると、ほっとする。

「少しね」

だから、手放せない。

予定調和。

この上ない安堵感。