私は下から真島くんの顔を覗き込んだ。


あれ…どうして?


「ごめっ!なんでもない!」

今…たしかに真島くん、泣いてたよね?


真島くんは急いで制服の袖で目をこする。

そして無理矢理笑い始めた。

どうして無理するの…?

私じゃ頼りないのかな…?
神崎くんもそうだった。

無理して笑ってたよね。

私馬鹿じゃないから、隠してもバレちゃうよ?

気付いちゃうよ………

知りたいって思っちゃう。


「ごめんな?本当になんでもないから…」


「……うん」


「あーそれにしても、坂田はバスケ上手いな!」


「えっ?」


「実はさ、俺中一の時から坂田のこと知ってるんだよな!一際目立つシュートフォーム…楽しそうにバスケしてて…」


「すげぇとしか思えなかった。一度話してみたいなって思ったらもう願いが叶っちまって…驚きだよ!」


真島くんは手を首にあてながら嬉しそうに笑った。

そんな風に思ってくれてる人がいたなんて……

嬉しいとしか言いようがないよ。


「ありがとう、真島くん。そう言ってくれた人、真島くんが初めてだよ」