いつの間にか百合が席に戻っていた。


「あ、うん。そうだよ?」


「……葵、離れてかないでね?ずっと親友だよ…?」


百合は弱々しい声でそう言った。


百合……




「………うん」



私はまだ自由になれない―




その光景を黙って見ていた人がいた―





一時間目は、学活だった。

ようちゃんはなぜか紙を破いてくじを作っていた。


クラスがざわざわし始めた頃…


「じゃあ今から学級委員決めるぞー。多分立候補しないと思うからくじ作った。一人ずつ引いていってくれ」


ようちゃんは面倒くさそうに箱を生徒に渡していった。



……全然、違うよ…



「あたしやだなー。ねっ葵もやだよね?!」


「うん、まぁそうだね」



正直やりたくない。

当たりたくないなぁ…


そう思っている隙に私の目の前に箱を持っているようちゃんが立っていた。



「……ん」


…ズキッ


私はくじを引き、筆箱に閉まった。


ようちゃん、ようちゃん

私のこと忘れちゃったの?