「…!!」






一瞬の出来事だった。




まっちゃんの体当たりをまともに受けた俺は、床に倒れる寸前で反射的に利き手を出し、つこうとして、その先にナルが落としたテニスボールがあるのを見つけて思考停止し――…




もちろん避けられるはずもなく、俺の手は見事にテニスボールの上にのってしまった。




周りの音が、何も聞こえなくなった。