「ホントなぁ…びっくりしたし。」
その帰り道。
俺たちは夕日に染まった道を2人並んで帰った。
「審判に近寄って、真面目な顔で、『棄権します』ってさぁ。」
ハルトが笑って言う。
「はは、お前本気で怒ってたじゃん。後ろから何度も大声で名前連呼して。」
「…別に本気じゃねぇよ。でもマジでさ、そっちの意味だと思ったんだよ。てか、あの状況じゃどう考えても『行ってくる』としか思えねえ。」
「ばぁか。日本語には、同訓異義語というものもあるということを覚えておけ。」
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