そう言ってまた、歩く速度を早めてしまった。


「ちょっと待ってよ」


慌てて追いかけてく。


「遅いんだよ」


一瞬立ち止まって、また歩き出す修斗。


でもね、今度はゆっくり。


私が隣を歩くには、十分な速度。


「里穂、寄り道してこうぜ」


「えっ?」


修斗が家とは反対側の道に入った。


「ここって・・・」


着いた先は、小学校のときによく来た公園。


「俺まだ蹴り足りないんだよ。付き合え」


そう言って、大きなエナメルバックからボールを取り出した。


「持ってろ」