ゴールを大きく超えて行くボール。


修斗も拳を振りおろして悔しがってる。


修斗が1本シュートを打ってからは、うちのチームもまた攻撃が組み立てられるようになってきた。


いつの間にか時間がたち、残りあと5分。


みんな、歓喜の瞬間を待ちわびてる。


あと3分。


自分の中でカウントダウン。


あと1分。


「あっ!」


ゴールエリア近くで、うちのディフェンスがファールを犯してしまう。


相手にフリーキックのチャンス。


最後のチャンスだと思ったのか、相手のキーパーもゴール前に上がってくる。


「守って」


静かになったスタジアムに、審判のホイッスルが大きく響いた。


小林君のマークには、吉井君がついてる。