私のお父さんは私が六歳のときに浮気した。
ある日、お母さんに頼まれてスーパーにおつかいに行こうと街中を歩いてると仕事中のはずのお父さんを見つけた。

『お父さんっ!』

そう言った私の声は街中を歩く人々の声にかきけされ、代わりに私の耳に入ってきたのはお父さんが違う女の人を呼ぶ声だった。
お父さんに呼ばれた女の人はお父さんに近づき、腕を組んで街中へと消えて行った。

あの時の私は理解できなかった。これが浮気だということを。