幸は、その内容を一読すると。再びうるうるした瞳で、あたしを見詰める。


「…た、貴子さん」


お―――少しは感動したかい。


まぁ、お代は今回は免除してやろう。


なんて太っ腹な性格のあたしじゃぁないか。


「これでは、自由に実験できません!」


あたしはその場で派手にずっころんで見せた。


そしてがばっと起き上がると幸に向かって思い切り叫ぶ。


「あのな、幸、その、自由に実験出来なくする為の書面なんだよこれは」


「そ、そうなんですか?」


幸は、どことなく納得出来無さそうな票所をあたしに向ける。