軽く絡む舌から、良平がさっきまで吸っていたタバコの味と匂い


その瞬間、何故か余計な事が頭を過(よぎ)る


直哉はタバコは吸わなかった


浩ちゃんは…良平程、タバコの匂いはなかった


「楓…おいで…」


ソファーに座った良平は、立ったままの私の手を引いて隣に座らせようとした


良平といるのに、他の男を頭で考える


こんな私…ダメだね…


「来いって…」


良平はなかなか座らない私の手を引いて、私はその引かれた勢いで良平の上に倒れ込んだ