「やっぱり…知り合いなの?」



コウスケは、あたしと兄の顔を交互に見て言った。



コウスケにそう聞かれた時には、あたしの顔はもうすでに昔のようになっていたに違いない。



「知り合いどろこじゃねぇよ。あたしとアラタはコイツに殺されそうになったんだから…」



『殺されそうになった』そんなセリフを聞いても、コウスケは全く動じなかった。



表情だって微塵も変わらない。



もしかしたら…



コウスケの精神力はアラタを超えるかもしれない。



ただ、兄を助けるためには兄の精神力が一番重要なのだ。



コイツにそれほど強い意志があるとは思えなかったが、コウスケの為なのだからやるしかない。



自分を落とそうとした男を助けるほど、あたしは出来た人間ではない。



だけど、やっぱりコウスケの為なら仕方がないと思える。