あたしが、これからコウスケの兄貴にしようといている事の説明をし終えると、コウスケは深いため息をついた。



「それぐらいしないとダメなんだよ。


もしかしたらそれでもダメかもしれない。


でも、今言った方法で助かった奴を1人だけ知ってるんだ。


だから、それに賭けてみようと思う」


「ホント?誰?あ、俺の知らない人なのかな」



コウスケは目を輝かせている。



希望が見えてきた事が嬉しいのだろう。



「あんたも知ってるよ」



言ってもいいものなのか迷ったが、結局言う事にした。



具体的な名前をあげた方が、コウスケに希望の光をより近いところで見せてあげられるような気がしたからから。



「徳沢アラタ」