あたしのその残酷な発言を聞いたコウスケは、今までうつむきかげんだった顔を上げ、真っ直ぐにあたしの目を見た。










「あぁ」










『その覚悟は初めからあった』



と続きそうな返事だった。



このあまりにもはっきりとした返事に、あたしの方が恐怖を感じるほどだった。



でも、これだけの覚悟があるのなら、あたしが考えている事も出来そうだ。



「あたし、あんたの兄さんを助ける方法知ってるんだ。だけど、本当に危険でヘタすりゃあんたか兄さんが死ぬかもしれない」


「うん」


「一応聞いておくけど、あんたの家に兄さんを病院に入れるお金はある?」



コウスケは首を横に振った。



親戚の援助で生活しているコウスケに、そんな金があるわけもなかった。



「だったらやっぱり、あたしの考えを実行しよう。


でもね、あんたたち2人には地獄みたいなもんだよ。


それでも耐えられる?


何があっても途中で投げ出したりしない?」



コウスケの目を見れば、答えはわかった。