あたしたち2人はなかなか本題に入れなくて、しばらくくだらないテレビを観ながらはしゃいでいた。



コウスケがこの部屋にきてしばらく時間が経った時、コウスケが重い口を開いた。



「俺さ、これからどうすればいいのかな…」



その低い声に少し緊張し、くずしていた足を正座に替えた。



核心的な言葉は口にしなかったが、何のことを言っているかは必然的にわかる。



「今、どんな状態なの?」



コウスケはうつむく。



あたしは何も言わないでコウスケの返事をじっと待った。



「目が…ヤバい」



この反応からして、たぶんそうとう浸ってしまっているんだと思う。



ひょっとしたら、もう手遅れなのかもしれない。



だけど、初めから諦めるわけにはいかない。



コウスケの兄貴を助ける為ではなく、コウスケ自身の為に。