髪を整え、軽く化粧も直すと、さっそく駐車場に向かった。



エンジンをかけると、陽気な音楽が鳴りだした。



その音楽を聴いていると、返って重い気持ちになりそうだったので、止めた。



今からコウスケに会えるのは嬉しいけど、話が重くて暗い内容だから、気を引き締める為にその後違う音楽もかけなかった。



駅につくと、改札口の近くにコウスケの姿を見つけた。



小さくクラクションを鳴らすと、コウスケはそれに気付き、小走りでやってきた。



「おまたせ」


「待ってないよ」



あたしは自分の部屋に向かって車を発進させた。



「どこいくの?」


「あたしの部屋」


「えっ?!」



教師が自分の部屋に生徒つれこんじゃぁ、マズいよな。



でも、今回は仕方ない。



「誰にも聞かれたくない話でしょ?」



コウスケは慌てた様子を落ち着け、ゆっくりとうなずいた。