何故海里を傷付けようと思ったんだろう?


せっかくさっきまでキラキラ眩しいくらい輝く海里を見ていたのに、さっきのキスシーンが頭から離れなくて…


海里が暗く汚いものに変わってしまったような気がした


海里は海里なのに…







自分の陣地に戻って、ペットボトルの水をぐいっと飲んだ


何だろう、この気持ち




運動神経抜群のよんちゃんは、選抜リレーの準備をしながら笑顔で去っていく



少し経つと、また3年の騎馬戦になって海里が出てくる


女子の悲鳴が上がることより、何事も無かったかの様に笑う海里の顔が、たまらなく


「ムカつく…」






この感情を、私は知らない










『環へ

今日は体育祭だった。私は障害物競争と、徒競走と、コスプレリレーに出ました…結果は聞かないで。

ただ、今日は…』


ヴーン、ヴーン…


携帯のメールが送られてきて、中を開いた


『開けて!』


私は携帯を閉じてまた日記を書き始める


『ちょっと、ムカつ…』


ヴーン、ヴーン…


『お願い!』