「環!早く早く!!」


親友の海里が私を急かした


「待ってよ!」


私が慌ててついていくと、海里が私の手を引いて屋上へ上がる


屋上はもう混み始めていて、先生まで楽しそうな顔をしていた


「良かった、間に合った!」


海里が笑って言うから、私もつい笑ってしまう


「見て!校庭の方が混んでる!」


私が柵に捕まりながら指を指すと、海里も覗いた


今日は特別な日


この時間だけは授業も中止になった


みんなの顔は、子供のように輝いてそわそわしている


「環!」


「ん?」


私が横を向くと、そこには嵐山君がいた


「わっ!」


思わず真っ赤になってしまう…


「ごめん、ビックリした?」


「う、うん…」


顔が…、顔が緩んじゃうよ〜


嵐山君は、ついこの間から付き合いだしたばかりの、私の彼氏!


彼氏!は、恥ずかしい響き…


「楽しみだね〜」


「そうだね」