<お兄ちゃんは誰??>


メモ用紙に器用に
書かれた字は目の前にいる
幼い少女が書いた物とは
想像できない程
綺麗な字だった。
少女は首を傾げてエリックを
ただ見ている。



「…エリック・ラングレー」



"誰??"と聞かれて
どう答えていいか分からず、
エリックはとりあえず
自分の名前だけを名乗った。
少女はニコッと笑うと
また何やら書き始めた。

笑った少女の顔は
一瞬だけレイを思い出させる
レイの面影を感じた。



<お兄ちゃんは軍の人??>

「うん」

<お母さんを軍に
連れ戻す為に来たの??>

「…??」



お母さん…??