黒のロングストレートに
白い肌、少し赤みがかった
瞳が印象的な女の子だった。
少女はエリックを不思議そうな
目で見ていたものの、
状況を理解したのか、
少し顔がキツくなった。



「えっと…あの…」



慣れない女の子に
たじたじに焦るエリックを
見つめる少女の瞳は
どこかしら、"ここから
出てって"と言っている
ように見えた。
彼女にとって、ここに
何かがあるのは間違いない
…そう考えていいだろう。


それから、30分経っても
エリーは戻ってくるような
気配すらしなかった。
その間ずっと、謎の少女は
一定の距離を保ったまま、
エリックを見張るかのように
見ていたのだった。