エリーは一度キッチンへと姿を
消すと、2人分のお茶を
持って出てきた。



「ここに座って??
…はい、お茶。
飲んだら落ち着くわよ」

「ありがとうございます」

「そんなに
固くならないでよ。
私の事は、エリーでいいし」

「…」



第46部隊にいた時と
変わらないエリーの優しさに
安心するエリックだったが、
喋った事もなかったはずの
エリーの態度を不審に思った。



「聞きたいこと、
あるんでしょ??」

「…何故、僕の事を
知っているんですか??」

「だって、あなた…
レイが可愛がってた子だもん。
故郷が同じなんだってね。
よくレイから聞いてたわ。
…あなたがレイに憧れて
軍に入隊したこともね」



"レイ"
エリーがその名を少し
小さな声で言ったのを
エリックは聞き逃さなかった。
レイは10年前に任務で
命を落として殉職していた。