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「あの、一体どこへ…??」

「私の家。他はもう人が
住めるような場所じゃ
ないわ」



エリーは表情一つ変えずに
そう答えると薄暗い路地に
入った。

"薄気味悪い"…。
そうとしか言いようがない
場所だろう。



「降りて」



路地の突き当たりに
車を止め、エリーは車を降りた。
路地の突き当たりは
ちょうど頑丈そうな門が
あって、その隣の小さな
扉から中に入れるように
なっている仕掛け
みたいだった。



「どうぞ??」

「失礼します」



家の中はこの都市からは
信じられない程綺麗に
片付いていた。
いや、5年前だったら、
この状態が当たり前
だったのかもしれない。