エリックは唾を飲み込んだ。


俺は死ぬのか??
まだあの人に追いついて
いないのに…。



「ウガァーッ!!」



目の前いた人の形をした
化け物がエリックに
襲いかかろうと恐ろしく
発達した爪を振り上げた。

次の瞬間―…


ドスッ...

ドサッ...



「…??」



エリックの足元に転がって
いるのはエリックに
襲いかかろうとしていた
化け物だった。
後頭部にはナイフが
突き刺さっている。


カツン... コツン...

ヒールのついた靴で
コンクリートを歩いて
いるような音が
辺りに響く。
エリックは視界の悪い辺りを
見渡した。