形こそ人なものの、
人間では持ち得ぬ牙や爪は
人間ではなかった。



「何だ、コレは…」



周りからさっきまでは
しなかった音がし始めた。



「ここに集まりだして
いるのか…??」



エリックの目の前にいる
人の形をした化け物は
今にもエリックを殺そうと
牙を剥き出していた。

今になってハルクの
あの表情の意味を理解した。
殉職者が出ているのも、
精神異常者が出たのも。

全部この人の形をした
化け物のが関係しているに
違いない。



「くそ…」



エリックは一度態勢を
立て直そうと引こうと
したが、すでに時遅く、
集まっていた人の形をした
化け物に囲まれていた。