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「…ありがとうございます」



お礼を言うと、総さんは私から顔を背けた。


なにかやっちゃった??



「…ハンカチ、あさって返せ」



ボソッと、隣に座る私にくらいしか聞こえない声で言われた言葉に胸がキュンとなった。



「はいっ。あさって、ここで返しますっ」



嬉しい。


明日は会えないけど、あさっては会える。


今日みたいに来るか来ないかを不安にならなくていい。


あさっては、絶対来てくれる。



「…ほんと、変なヤツ」



少しだけ口の端を上げた総さんのその言葉すら褒め言葉に聞こえるくらいに舞い上がっていた。


でも、心の片隅で、総さんと沖田さんを比べてる私がいた。



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