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目を開けると視界に入ってきたのは知らない天井。
「目、覚めましたか?」
そして聞こえてきたのは穏やかで優しそうな声。
声の主を見たくて顔を声がした方に向ける。
「え…?」
顔立ちは声に似合ってるまさに美男子。
体つきだってしなやかでかっこいい。
ただ、気になることが1つ。
彼はなんで着物なの?
それにそばには刀らしきもの。
これじゃ…まるで、侍じゃない!
「沙知さーん、女の子目覚ましましたよ」
呆然とする私をよそに侍さんは障子を開けて声をあげる。
「今行きますっ」
パタパタと足音が聞こえてきて現れた女性に私は唖然とした。
「お待たせしましたっ。あ、歳さんが呼んでますよ?」
現れた女性は見るからにお母さん。
今のお母さんよりも若いけど、お母さんにそっくりだ。
「はい、どうぞ」
お母さんにそっくりでお母さんと同じ名前の沙知さんがお茶を出してくれて。
受け取ろうと上体を起き上がらせたとき、はじめて自分が着ていた制服じゃなくて着物を着てることに気が付いた。
「ありがとうございます…」
私はなぜか着物着ているという動揺をしつつ湯呑みを受け取った。
熱いけど、おいしい。
うちと同じ味がするのは気のせいかな?
「落ち着きました?」
沙知さんが心配そうに私を見つめる。
ますますお母さんみたいだな、って思った。
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