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沖田さんたちが出かけて、屯所には私と沙知さんだけ。


二人で並んで縁側に座っている。


もう眠気なんて冴えちゃったしね。



「あの、皆さんは…」



私が尋ねると、途端に沙知さんは顔を曇らせる。


何かいけないことを聞いちゃったかな?



「ちょっと騒動があったみたい…」



沙知さんは心配そうに笑っていた。


きっと詳しくは話したくないのだろう。


それに土方さんがすごく心配みたい。


…それよりも今の私は聞きたいことがあった。



「沙知さんは…土方さんに子供扱いされてるって感じるときありますか?」



なんの音もしない、あえて言うなら虫の鳴き声くらいしかしない静けさの中、話を切り出す。



「ないと言えば嘘ね。でも歳さんから見たら私が子供なのは事実だし…」



沙知さんは星が輝く空を見上げる。


なんだか泣いてるようにも見える。



「…それに…やっぱり好きだから。無理に背伸びして大人ぶっても歳さんは見てくれないのよ」



言い終わる頃には私を見て、ふふっと微笑んでくれた。


その微笑みはやっぱりお母さんを思い出させた。



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