友也は慌ただしく震える携帯を片手に、静かに席を外し教会の外に出て、携帯に出た。

『はい…。えっ…!?』

友也は携帯をぎゅっと握りしめて驚いた。

『さあ、誓いの口づけを』

じっと見つめ合っている蓮と楓の二人に、牧師がもう一度言った。

蓮は楓の肩にそっと両手をあて、楓にそっと優しく口づけをしようと顔を近づけた。

その瞬間、教会のドアが勢いよく開き教会内の全員が入口の方に目をやった。

『友也…』

蓮の目線の先には教会の入口で携帯を力強く握りしめ、呆然とつっ立っている友也がいた。

ブライダルスタッフは結婚式の邪魔にならないように、入口に立っている友也を別の所に誘導しようと駆け寄ろうとした。

『蓮…』

友也は顔をうつむけたまま言った。

『何してんだよ友也、式の途中なのに邪魔するなよ』

蓮は入口に立つ友也に忠告した。