『ほ、本当に!?』

敬大は急に胸がいたくなり、動揺を見せた。

『うん。大学卒業したら結婚しようって…あたしの事絶対幸せにするから…だからずっと一緒にいようって言われたんだ』

楓は敬大に全てを話した。

『か、楓は…楓は何て答えたんだ?』

『あたしは…うんって答えた』

そう言って楓は嬉しそうにその瞬間を思い出していた。

『そうか…。よ、良かったじゃん楓。蓮なら…蓮ならきっときっと楓の事幸せにしてくれるよ』

敬大は立ち上がり、楓に今の動揺している表情を見せないように、楓に背を向けて窓の外を見ながら言った。

『うん、あたしも蓮くんならきっと幸せにしてくれる気がする』

楓は笑顔で言った。

敬大は右手のこぶしを握りしめ、そしてひと呼吸ついた。

『お、おめでとう楓』

敬大は振り向き笑顔で言った。

『ありがとう』

楓も笑顔だった。