『はいっ!!』

そう言って、敬大と友也は再び仕事に戻った。

そして時間が刻々と過ぎ夕方になる頃、二人は今日の仕事を終えた。

『お疲れ敬大。また明日な』

仕事が終わった友也は自転車に乗り、さっさと家へと帰って行った。

友也と別れた敬大は真っすぐ家に帰ろうと歩き、歩道橋までやってきてふと立ち止まった。

『ふーっ、風が気持ちいいな』

敬大は歩道橋の上から下を見下ろしながら、春風を気持ち良さそうに浴びていた。

歩道橋の下の大通りの交差点では、楓が点滅する青信号をよそに走って、横断歩道を急いで渡った。

『早く渡らなきゃ…』

信号が赤に変わると同時に、楓は横断歩道を何とか渡りきった。

『ハァ、ハァ…間に合った…』

信号に何とか間に合った楓だったが、急いで走ったそのせいでしんどくて、その場にしゃがみ込んでしまった。

『ハァ、ハァ…ちょっと無理し過ぎたかな…』

楓は胸を抑え息を切らした。