…あれ?


いつまでたっても一歩が近づいてくる気配がない


パッと目を開けると、一歩が目の前で私をじっと見つめていた


「び…びっくりしたぁ」


「驚くなって。久々鈴の顔見れたな、て思って」


「ふふっ、惚れ直した?」


冗談で言ったのに一歩は私の頬を指でなぞって優しい顔をする


「惚れ直すどころか、どんどん好きんなんだけど。どーしたらいい?」


「知らないよっ…もぉ」


「何で今日グロスつけてんの?」


一歩はなぞる指を、私の唇まで動かす