「かなり衰弱しててね…。お医者さんも、これから回復するかどうかは、はっきり分からないんだって


それでも…一歩はご飯食べてるかな?友達はたくさんできたかな?って、譫言でずっと呟いてた


お母さんの中の一歩はまだ小学生で、小さいままなんだよね。だから、一歩をお母さんに会わせて安心させてあげるのが私の努めかもしれない」


万里さんはそう言うと、、また連絡するからと言い、愛さんと一緒に店を出て行った


残された私たちは、冷えたコーヒーを飲み、しばらく無言で席に座っていた


一歩は時折鼻に手をやったり、頬杖をついたり。何だか、お互い話す言葉が見つからなかった


どれ位の時間そうしていたんだろう。やっと一歩が重い口を開いた


長く感じたけど、実際は数分だったのかも知れない