「ごめんね…あんなつもりじゃなかったのに」


万里さんが髪を垂らしうなだれる


…ここは、とあるカフェ。夜は併設しているバーがオープンするみたいで、会社帰りでスーツ姿の人やおしゃれなお姉さんがいて大人な雰囲気がする


あの後ホテルの人がやって来て騒ぎになりそうだったから、私たちはみんなで外に出て


愛さん行きつけの、このお店に入った


万里さんは、さっきまで泣いていたのが嘘のようにすっかり元のスッキリした顔に戻っていた


「知らなかった…母さんがそんな事になってるなんて」


一歩は運ばれて来たホットコーヒーに手を伸ばし、カップを両手で包むようにして万里さんを見る