「あんたの母さんはね、今、昏睡状態で病院にいる。だからさっきのカードを書きたくても書けないんだよ…」


昏睡状態…?


万里さんの体を、愛さんがそっと優しく包み、子供をあやすように背中に手を添え、軽くポンポンと叩く


「一歩!」


私は、一歩の側まで走って駆け寄った。愛さんの言葉を聞いて、立ち尽くす一歩の手を両手でしっかり握る


「一歩…大丈夫?」


「あ…あぁ、鈴。何でここに…」


突然現れた私を見て一歩の目が泳ぐ


突然の愛さんの言葉に、一歩はどうしたらいいか分からない様子だった


「一歩…しっかりしてね。私がついてるから…」


ギュッと一歩の手を、更に力いっぱい握りしめた