オレンジと赤の花びらに包まれ、サチはうっとりとその匂いを嗅ぐ


花の名前は分からないけど、夏らしい鮮やかな花


「…でも何で太久ちゃんの誕生日に一歩のお姉さんが花束くれるの?」


サチが誰に言うでもなく尋ねると、太久が焦ってまた言い訳


「か…、一歩の姉ちゃん気前いいからさ、オレん事も可愛がってくれんだよな。そうだよな?」


太久は一歩にチラと目配せする


一歩はまだ機嫌が悪いままで、太久の言葉に何の感情も込めず


「あぁ、そーだな」


って返事をする


うわ、怒ってるよ…