おじさんの手からお好み焼きを受け取る


一歩は隣の屋台にはもういなくて、どこに行ったのかとキョロキョロ辺りを見渡した時、おじさんが背中越しに言った


「今日のおじょうちゃんのプレゼント、うまく渡せるといいのぉ。ハイ、次の方」


へっ?


な…何でわかったの


今日が一歩の誕生日だなんて一言も言ってないんだけど


やっぱりおじさんはタダモノじゃないよぉ!


こっちをもう見ていないおじさんにおじぎをして、私はその屋台を後にした