…ドキドキする


私だけに向けられる優しい表情


「あのブルーのファブリックパネルって…海をイメージしてるの?」


私がそう言うと一瞬一歩の指がピクッと反応した


「鈴もそう思った?綺麗だろ…一目惚れだった」


そう言う一歩の目はキラキラ輝いていて、一目惚れっていう言葉にちょっと嫉妬しそうになる


一歩もそういう表現するんだ?って


「あれさ、ここのホテルのオーナーが贔屓にしてる画廊で見つけたんだ」


へぇ…


「ちょっと値がはったから、父親には出世払いでお願いした」