「照れんなよ」


そう言って、私の方に肘を突き出してくれる


私は、そっとその手に掴まった


「一歩浴衣…似合うね」


「たりめ~じゃん、オレに着こなせないもんがあると思ってんの?」


生意気口調で話す顔も、浴衣のせいか、今日は許せる


「下駄足痛くねぇ?でもかわい~ケド。スニーカーとか履いて来られたらどうしよーかと思った」


って笑う


良かった…下駄にしといて


一人胸を撫で下ろす


「一歩は…えっサンダルなんだ?」