でもそんな心配は無用で、一歩は私に気が付くと笑顔で歩み寄って来た


「鈴、待ち合わせまで待てなくて…迎えに来た」


私も自然と笑顔になる


いつものように、ハイと手を出されるかと思ったら、フワッと肩を抱かれた


「今日はこっち」


ヘヘッと嬉しそうな一歩


クラスの子が私に注目してたけど、今日の私は全く気にならなかった


「昨日ちょっと遅くなったけど、大丈夫だった?」


「うん、全然。一歩が家まで送ってくれたし、お母さんも特に何も言ってなかったよ」


「そっか」


一歩は安心した顔で、私を見下ろす