「あ…」


何て言っていいか分からず、言葉につまる


「ごめん、わざわざ言うことでもないんだけどさ。うち母親いなくって…


家んことはオレと父親で分担してやってる」


兄弟も…いないんだ?


じゃあ…この広い家に一歩はいつも一人でいたの?


「ご飯…とかいつもどうしてるの?」


「飯は、父親が前の晩に作ってくれんの。忙しいくせに意外と律儀でさ…まぁ、味は何とも言えねーけど」


一歩はハハッて笑う


「そうなんだ…じゃあ今度からうちで食べたら?どうせ私がみんなの分作るし、一人増えても手間は変わらないから」