私が悩んだり落ち込んでたりするときに、気づくのはいつも志織だった。そして、いつもこう言うのだ。

「ゆう、毒素抜こうか。」

何も話してないし、会ってもいないのに・・・。その言葉を聞くと、我慢していた涙が止まらなくなり目が赤く頭が痛くなるほど涙腺が決壊する。しばらくは志織の肩から動けない。

どうしてと聞いてみると、けろりとした顔で彼女はいってのける。


「ゆうは顔にでるからね。」


ああ、かなわないなと笑ってしまった。

こんなにも頼って一緒にいたいと思える友だちは初めてで、ときどき、依存しすぎてないかと 心配になる。
私にも悩み話してよ、頼ってよと訴えたが、志織は笑ったまんまでいる。
こんな仲が“ゆうと志織”なのだと最近では納得してしまった。
志織に肩を貸す機会が圧倒的に少ないのが内心悔しいけれども。


「ゆう、どうよ?クラスは。」
志織の机に弁当を広げ、隣の席から椅子を拝借する。

「ん。みぃと一緒だからね。今んとこまぁまぁ。」
「そっか。美加ちゃんいるならね。よかった。」
弁当のミニトマトをぽいぽいっと私に与える志織を軽くいさめると笑顔でミートボールを奪われた。