6組は40人中16人が男の子。はじめは恐々としていたけれど、北君をはじめノリのいい人や赤司君みたいにやわらかい雰囲気の人もいて、徐々にクラスは男の子女の子関係なく話せるようになっている。いい雰囲気だな、と思う。


私が今のところ話せるのは赤司君のみ。
彼がいつも一緒にいる北君や、祇園君とは話せないでいる。赤司君の近くに2人がくると、席を移動する始末。


あの数字の時間以来、私は祇園君と話していない。

「ねぇ、あのとき何を言いかけたの?」

今のところ、祇園君の背中に問いかける日々。


気になるなら話しかければいいのに。

うっとうしそうに心のなかの自分が呟く。


「気になるなら聞けばいいじゃない。」

いつものお弁当タイムに一部始終を話した後、親友にも同じことを言われ、がっくりしてしまうのだった。


「でも、あれから2週間以上経ってるし、忘れてるよ、きっと。」
「でも、気になるんでしょ。」
「気にはなるけど。」
煮物を箸でつっつく。


話してからというもの毎度のように愚痴る私に志織は苦笑している。