静まった公園から健が１人傘もささないで出てきた。



不意をつかれキスをしてしまった私は動揺していた、
健が足に置いた手を振り落とし１人立つ。

健の視線を感じつつも顔を上げる事が出来ない・・・。


「・・・小・柄・・さんっ・・・・。」


名前を呼ばれようやく顔を上げると、
切なそうに涙を流す健が居た。


「ごめん・・・俺・・・。」


声を出すだびに彼の目から涙が零れる。

私は今まで健と過ごして来た日の事を思い出していた・・・
そして、1つの答えが頭に浮かんだ。


「・・・あっ・・健・・・・私・・・・。」


上手く言葉にならない私を見て健が先に口を開いた。


「さっきの質問の答えだけど・・・。
俺は別に・・・俊司さんに懐いてるわけじゃない・・・。
そりゃ、俊司さんは尊敬してるし大好きだけど、
それだけじゃないんだ・・・。」




健が私の前にしゃがんで目をまっすぐ見て言った。







「俺は初めて見た時から、小柄さんの事が好きだったんだ・・・。」







今度はもう涙は出ていなかった・・・。