少し行くと小さな公園に着いた。
周りにはあまり街灯がなく薄暗い、
入って行った公園にも電気が2・3個あるだけだった。
見渡した健は、休めそうな遊具を見つけ近づいた。
屋根のある小さな小屋のような所に、
2人並んで腰を下ろし、話を続けた。
健が何も話して来ないので、小柄が先に話だした。
「健はさぁ、何でそんなに俊司に懐いてるの?
俊司には悪いけど、あいつあんまり友達とかっていないじゃん。
なのに、健くんだけは何か違うから前から不思議だったんだよね。」
小柄は楽しそうに、
ときどき健の方を見ながら話をした。
周りは閑静な住宅街で雨の音だけがする中、
2人の声と吐息が遊具の中で響いていた。
長めの小柄の髪が雨で少し濡れていた。
月明かりが、華奢な小柄の腕に当たっている。
その綺麗さに見惚れていた健は返事を忘れていた。
「・・・。」
小柄は健の足に手を置いて、顔を覗き込んだ。
いきなり近づいて来た小柄の顔に、
胸が高鳴った健は
おもわずキスをしてしまった。