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「…あの人が副長の許婚?」



「らしいぜ…」



現代から幕末に来てから数日。


私は土方さん……ではなく歳さんの許婚として暮らしている。


周りの隊士は少しばかり私を不審な瞳で見ている。


でも気にしない。


だって鬼副長が付いてるもん。



「歳さんっ」



そっと歳さんの部屋の襖を開く。


“歳さん”……まだその呼び方はくすぐったい。


許婚だから土方さんと呼ぶのはやめろと言われたのだ。


部屋にいた歳さんは珍しくお昼寝中だ。



「歳さん、近藤さんがお呼びですよ」



軽く身体を揺すると歳さんは目を覚ました。



「お前、順応早いな」



それだけ言うと歳さんは府屋を出てしまった。


なんだろう、今の。


褒められたのかな。


そんなことを思いながら私は散らかった部屋を片付けた。



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