あの日。

 全てが無くなり死ぬとき今か今かと待っているようだったあの日。

 私は、あの男によってかえられた。


 地下鉄入り口付近の階段に座っていたうちにあいつは、声をかけたんだ。


「おい大丈夫か?」
 

 これが、私とあの人の最初の出会いだった。