その家は、一年前とまったく変わらず、そこに建っていた。
いや、前よりいっそうぼろくなったかもしれないな。
家の戸を叩くけど、中には誰もいない。
この時間なら、畑を耕してるのかも、とルシルが言うので、
俺たちは、家の裏手にある一家の食料を賄っている畑へと足を向けた。
お、いるいる。
ひい、ふう、みい・・ん?
子供の数が足りない?
お父さんに、お母さんに、子供が3人と、
あれ、大人が一人増えてる?
俺が、畑の人数を数えていると、
ルシルが大きな声を出した。
「みんな~!ただいま!!」
その声に、一家が俺たちに注目する。
「あ、姉ちゃんだ!!」
俺たちは、あっという間に、ルシルの弟妹に囲まれた。