穏やかな風が吹き抜ける午後、俺は腹いっぱいに新鮮な空気を吸い込んだ。


「あのね、ルシル。明日、その・・お休みをもらったんだ。

それで、君のご両親に、挨拶に行きたいんだけど・・」


ルシルは、茶色い瞳をくるくるにして、視線を泳がせる。


「でも、私、お仕事が・・」


「それは大丈夫。

俺がカルレイン様を通して、君のお休みも一緒にもらったから」


そう。俺は、昨日カルレイン様に、一日お暇をもらいたいってお願いをしたんだ。

俺がそんなことを言うなんて、初めてのことだから、カルレイン様はちょっと勘違いをしたらしい。


やはり、ノルバスに帰りたいのか、なんて、深刻な顔をされるもんだから、

思わず、口が滑ってしまった。


ルシルの両親に会いに行きたいんだ、って。